私の経験からすると、こんな法人になります。
売上が大きい法人
選定される一番の基準だと言えます。
売上が大きくないと、税務調査で確認することが少なくなります。
毎月100万円で年間1,000万円くらいの売上の法人を調査するのに、それほど時間を要しません。
売上が大きいということは、一つ一つの取引金額も大きい、あるいは、取引の数も多いため、調査で修正すると金額も大きくなります。
国税局の調査部には特官室と呼ばれる部署があります。
特官室は、上場企業の中でも皆さんが知っているような有名な会社を調査する部署です。
特官室ではどのくらいの頻度で1つの会社を調査をすると思いますか。
一番多い場合ですと、なんと隔年です。
一回の税務調査では、その会社の全ての取引を確認することができないからです。
売上が大きいと税務調査で確認しないといけないことが多くなります
資料や情報がある法人
取引先や関係者の税務調査において、その法人の税務上問題となるような情報が出てくると資料が作成されます。
また、税務署の機動担当と呼ばれる職員が、金融機関のセンターに行って口座の情報から申告情報と照らし合わせて、そのような資料を作成することもあります。
これらは個別に管理され、選定にも優先して活用されます。
取引先からの取引の一般取引資料せんによって選ぶことも少ないですがあります。
税務調査で取引先から収集することもありますし、取引先が光ディスクで提出することもあります。
部外からのタレコミのあった情報によって選ぶこともあります。
所得が出ている法人
昔は、欠損金がある法人には税務調査に行かない傾向にありました。
税務調査で修正しても税金を追徴することができないからです。
加算税や延滞税もかかりません。
所得金額だけでなく、税金も含めて税務調査の事績を集計しています。
でも、欠損金がある法人でも悪さをしているが意外とあるので、最近では税務調査に行くようにしています。
とは言っても、所得が出ている法人に比べると、やはり税務調査に行かない傾向にあります。
過去調査で不正があった法人
過去の税務調査で、隠ぺいや仮装の行為により不正を行っていると、今回もしているのではと見られてしまいます。
税務調査が行われると、法人は①優良、②普通、③不正といったグループに分けられます。
①優良にはいくつか条件があり、大半は②普通になります。
③不正は、不正を行っていた、あるいは、不正とまでは言えないが、そのような傾向がある法人を指します。
ですので、不正は今回の税務調査だけでなく、今後の税務調査の選定にも影響してきます。
申告書に誤りがある法人
税務調査を選定する際に申告書の別表、内訳書、決算書の内容を確認します。
申告書の別表の計算に誤りがあると税務調査に選定しやすいです。
調査に行く前から誤りがわかっていると、調査事績に織り込まれ、調査事績が良くなります。