合同会社ってどうなんだろうか

合同会社と株式会社どちらの会社形態で設立するか迷っている方もいると思います。

合同会社のメリット

よく言われるように、会社設立に当たってイニシャルコストを抑えられることです。
実費を比較すると以下の通りで、10万円の差があります。

合同会社株式会社
登録免許税6万円15万円
定款認証費用1.5万円※
合計6万円16.5万円

※資本金100万円未満で株主3人以下の取締役会を設置しない会社

司法書士に依頼すると、この実費に5~10万円の報酬が必要になってきます。

今では設立する会社の3割は合同会社であり、徐々に知名度も上がってきています。
代表取締役と名乗れませんが、代表社員と名乗れることができるので、若い人を中心に良しとする人も増えてきています。

資産管理会社は広く株式の募集をかけて事業を大きくしていくわけではないので、会社形態として合同会社も選択肢に入ります。

合同会社の相続のデメリット

合同会社は2006年に設けられた会社形態で、株式会社に比べると日が浅いこともあり、まだ相続におけるトラブルが顕在化されていないこともあり得ます。

合同会社では定款の記載が重要になってきます。

合同会社の社員が亡くなると、出資は相続されず、払戻請求権として社員に返還される相続することになります。
出資として相続すると、非上場株式の相続と同様に、類似業種として比較することも可能となり、評価額が下がることにつながります。
したがって、定款に相続人が出資を承継する旨について記載しておく対応が必要になってきます。


1 持分会社は、その社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合における当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができる。
2 第六百四条第二項の規定にかかわらず、前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の一般承継人(社員以外のものに限る。)は、同項の持分を承継した時に、当該持分を有する社員となる。

会社法第608条(相続及び合併の場合の特則)

そのせいか、最近では、定款に相続人が出資を承継する旨について記載している合同会社が多くなってきました。
しかしながら、遺産分割協議によって複数人が相続すると、意図していない相続人に引き継がれ恐れもあります。
その結果、合同会社は出資者と経営者が同じですので、経営が上手くいかなくなることにつながりかねません。
特定の者が相続する旨を定款に記載するといった対応が必要になってきます。

定款を変更するには、登録免許税が3万円かかるので、複数回行うとイニシャルコストのメリットが減っていきます。

合同会社と株式会社で悩んだら、、

会社設立に当たってイニシャルコストの10万円の差は大きいかもしれませんが、将来の相続を見据え、心配な方は株式会社の会社形態を選択した方が良いとも言えます。

とりあえず合同会社を設立してから株式会社に会社形態を変更することも可能です。

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