税務署にいた人間としては、納税者から情報を提示することは大切な気がします。
ひいては、税務調査の見送りにもつながることだってあり得るでしょう。
申告書・内訳書
申告書、内訳書を適正に記載することは最も基本な情報の提示です。
情報戦略というよりも情報不足になってしまいます。
内訳書は種類が多く、必要な内訳書が作成されていないこともよくあります。
- 預貯金等の内訳書
- 受取手形の内訳書
- 売掛金 (未収入金) の内訳書
- 仮払金 (前渡金) の内訳書
- 貸付金及び受取利息の内訳書
- 棚卸資産(商品又は製品、半製品、仕掛品、原材料、貯蔵品)の内訳書
- 有価証券の内訳書
- 固定資産(土地、土地の上に存する権利及び建物に限る。)の内訳書
- 支払手形の内訳書
- 買掛金 (未払金・未払費用) の内訳書
- 仮受金 (前受金・預り金) の内訳書
- 源泉所得税預り金の内訳
- 借入金及び支払利子の内訳書
- 土地の売上高等の内訳書
- 売上高等の事業所別内訳書
- 役員給与等の内訳書
- 地代家賃等の内訳書
- 工業所有権等の使用料の内訳書
- 雑益、雑損失等の内訳書
取引先の住所が記載されていない内訳書を見ると、この申告は大丈夫かなと疑問を持ちます。
備考欄に情報が書いてあると、税理士が積極的に関与しているんだなという印象を持ちます。
ただ、内訳書の注書きを見ると、50万円または10万円以上を記載し、その他は一括で記載してくださいと書かれていることがあります。
その場合は、敢えて少額なものまで手間をかけて書く必要はありません。
法人事業概況説明書
法人事業概況説明書、いわゆる概況書はOCRで読み取り、そのデータはKSK(国税のシステム)で管理されるので、適正に記載する必要があります。
概況書は文章を記載することもできるので積極的に活用することができます。
概況書は表裏1枚で、表面の事業内容、裏面の事業形態(事業の状況、事業内容の特異性)、主な設備等の状況、当期の営業成績の概要には記載スペースが多くあります。
当期の営業成績の概要には、売上が伸びたり、粗利が低下したりした要因、販管費で著しく増減した要因を記載すると良いです。
国税で概況書が使われていないといったことをその界隈で耳にしますが、とんでもないです。
統括官は税務調査で選定する際にも必ず概況書を見ています。
調査官は実地調査で事業概況を聴きますが、私は当然概況書を見た上で聴いていました。
書面添付
税理士がチェックした内容を書面添付と呼ばれる書類に記載して申告書と一緒に税務署に提出することができます。
ただし、追加で費用が発生することや、税理士によっては責任が取れないことから、書面添付制度が利用されていないこともあります。
税理士が積極的にチェックしていれば税務署も安心につながります。